〈先輩メッセージ〉透析センター 5年目

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透析センター 5年目

スタートは遅くても、確実に成長できたと思える環境で働いています

写真:透析センター2年目看護師

当院に入職して5年、循環器内科から透析室に異動して約8か月になります。もうすぐ3歳になる娘の母親として、家族の助けも借りながら仕事と家事・育児の両立に励んでいます。透析室には性別、年代さまざまな看護師が4名在籍しており、定時になると「どうぞ上がって」と保育園のお迎え時間を気遣っていただいています。毎日が感謝の日々です。

私が看護師になった理由は、祖母との関わりにあります。病気がちだった祖母は孫の私に「看護師になって欲しい」と話していましたが、当時の私は看護に興味が持てず20~30代半ばまで医療とは別の業界で仕事をしていました。
しかし、祖母がすい臓がんを患い、在宅療養の末に自宅で看取ることになった時、在宅で看護してくださった看護師さんの姿は、私の心を大きくゆり動かしました。そして「私も看護師になりたい」と、33歳で看護学校に入学しました。この年齢から看護の勉強を始めるのは簡単なことではありませんでしたが、自分を奮い立たせて頑張りました。そして卒業後、子育てなどを考慮し自宅から近い当院に入職を決めました。

入職後は、先輩プリセプターに厳しくも思いやりのある指導をしていただきました。入職当初は循環器内科病棟に勤務していましたが、私は心電図の波形を見るのが苦手で……。気になることを先輩に質問すると、単に正解を伝えるのではなく「どうしてそう思う?」と自分で考える機会を与えていただいたことも、とても勉強になりました。また、循環器内科では患者さんの急変が多く、高度な知識と対応力が必要とされることを痛感しました。看護師として出来の良くない私でしたが、先輩方や病棟全体で見守っていただいたおかげで成長することができました。
その後は、現在の透析室に異動となり、自分に合った落ち着いた看護ができるようになりました。透析室は、決まった患者さんが定期的に通院されます。看護師と患者さん、お互いに顔見知りですしコミュニケーションも多いのですが、馴れ合いにならないよう接遇や言葉遣いには気を付けています。

透析を必要とする患者さんは糖尿病からの腎障害を発症される方が多く、神経障害によって足壊疽から足切断のリスクもあります。ある患者さんは足背に潰瘍ができ、医師や臨床工学技士さんと連携しながら透析とは違う治療とケアを行った結果、重度の潰瘍が徐々に改善したことがありました。患者さんに感謝されるとうれしいですし、患部の洗浄など丁寧な処置や観察、患者さんの状態を理解することの大切さを実感した症例でした。透析患者さんは、セルフケアやセルフチェックも重要です。辛い結果を防ぐためにも、患者さんに対する指導にもしっかり関わっていきたいと思います。
そして今後は、さらに知識や技術を勉強して身につけることを課題として、患者さんはもちろん、そのご家族にも安心していただける、そんな看護師を目指しています。