〈スペシャリスト〉血管診療技師(CVT)

Specialists

血管診療技師(CVT)

「やりたいこと」が叶う環境で見つけた、チーム医療における自分の役割

写真:血管診療技師(CVT)
CVTとはどのような資格でしょうか。
CVTとは、Clinical Vascular Technologistの略称で、日本語では「血管診療技師」といいます。動脈硬化、下肢静脈瘤、エコノミークラス症候群のほか、糖尿病壊死などに代表される、血管の疾患に対して、検査を進めながら、医師とともに治療方針を決めていくことができる専門資格です。「日本血管外科学会」「日本脈管学会」「日本静脈学会」「日本動脈硬化学会」の4学会で構成する「血管診療技師認定機構」が認定しています。専門的な知識と、実技技術が必要な資格で、5年毎に資格を更新していくことになっています。
どのような業務を担うのですか?
CVTの業務は、血管超音波検査やSPP検査など、「非侵襲的検査」と呼ばれる検査を行うことができます。それから、医師の治療の介助にも、コメディカルとして関わることができます。当院には、臨床検査技師、理学療法士、そして看護師の私と3名がいますので、それぞれの分野で協力しながら、それぞれの患者さんに適した血管検査や治療を行うのが仕事です。
なぜこの資格を取得しようと思ったのですか?
今の日本は高齢化が進んでいますし、生活習慣病の方もたくさんいますから、血管疾患をもつ方も年々増えています。そうなると、病院も効率的で正確な評価を、早く行う必要が出てきます。私はもともと、循環器科病棟に勤務していましたので、循環器疾患を持つ患者さんと関わることが多く、心臓のカテーテル検査にも携わるようになりました。そんな中で、今よりもっと専門的な知識を身に着けたいと考え、資格を取得しました。
資格取得は、大変でしたか?
もちろん、勉強はしました。当院には私よりも先にCVTを取得している人がいましたので、その人たちにもサポートしていただきながら、がんばりました。実際には、勉強したことをまとめてレポートを提出し、それが認められたら今度は、試験を受けるという流れです。試験に合格なら、資格が取れます。試験前もかなり勉強はしました。でも、私は普段から心臓カテーテル治療に携わっていますので、その知識が活かされた問題だったと思います。
資格を取得して、何か変わりましたか?
自分の中でも変わったと思えるところは、とにかく患者さんの「足」をよく見るようになったことです。「動脈硬化が進んでいます」という方は多いと思うのですが、その中でも「足の血管の疾患」になっている方がやはり増えていますので、下肢の血管に皮膚の上からでも分かるような問題が無いか、かなり気を付けて見るようにはなりました。
今後は、CVTとしてどのような働きをしていきたいですか?
看護の仕事もそうですけど、1人の患者さんにはたくさんのスタッフが関わります。他のスタッフにも、CVTで必要とされる知識を伝えて、患者さんに還元していきたいと考えています。
学生さんに向けてメッセージをお願いします。
私が資格を取ろうと思えたのは、自分のやりたいことを活かしてくれる、応援してくれる、やらせてもらえる環境だった、というのが大きいと思います。自分の中で、やりがいを見つけることが出来ましたし、この先の目標も考えられるようになりました。学生さんも看護師になったら、ぜひいろんなことに興味をもって、取り組んでほしいなと思います。実際、CVTはとてもやりがいのある仕事だと思っています。